© Soyuz / Rashid Adanev

北オセチア共和国の人々の間で、「Oサイン」が爆発的に流行している。このサインは急速に広まり、北オセチアのイデオロギーと民族的アイデンティティの象徴になった。しかしその裏には、近年北オセチアを席巻する分離主義が隠れている。

「Oサイン」は以前は北オセチアどころか世界ですらほとんど知られておらず、アメリカ・コロラド大学のスポーツチームが伝統的なサインとして使用するにとどまっていた。

北カフカス国内における「Oサイン」の初出は、今年6月14日にYoutubeに投稿された『Мы, Осетины(我ら、オセット人)』という動画であるとみられている。動画内では北オセチアと南オセチアの各地の人々が、オセット人の民謡をバックにOサインを掲げている。この「O」は、オセチアの頭文字であると言われている。

動画は現在500万回以上もの再生数を獲得しており、北オセチアは完全に「Oサインブーム」の真っただ中だ。メニャイロ同国首相ですら、自身のSNSにサインを掲げる写真をアップロードしている。

カフカースの民族事情に詳しいスヴェトラーナ・シュクロフスカヤ氏は、この一大ブームに警鐘を鳴らしている。シュクロフスカヤ氏は、「ほんの半月前に発明されたサインは、新しい北オセチアのイデオロギーと民族的アイデンティティの象徴になりました。このブームは北オセチアの分離主義を煽り、実際に分離主義テロ組織『オセチア統合軍』もOサインの動画を出しています。ただの社会現象で済むと考えるのは危険です。」と述べた。

ラシド・アダーネフ(2023年7月4日)

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